七月の 雨をたたへし 相模湖の 流木よりきて 水神となる [展 心 徒 然 草]
第33回相模ダム追悼会オブジェ
相模ダムの追悼会は、相模湖湖畔にある神奈川県立・相模湖交流センターのホールで追悼式を開催している。例年制作しているオブジェは、開催日前日の朝から現場入りして、午後五時くらいまでに完成させねばならない。素材の調達はもちろん前もって終わらせてはいるが、加工と組み立ては当日の朝現場でのインスピレーションで始めるぶっつけ本番一発勝負の、完全なインスタレーションなのだ。
そもそもこの会場は、創作意欲をかき立てるような自然界の霊的作用を拒絶することによって成り立っているといえる。 初めてこの会場を訪れたときの印象は、早く外に出たい、であったことは間違いない。このステージで僕が出来るインスタレーションは、自然物を構成するしか ない。それはこの空間が、環境としてあまりにも不自然だからだ。それで相模湖周辺の自然物を素材として制作してきたわけである。
少なくとも僕にとってこれは、本来の追悼オブジェの制作という課題にある意味余計な課題が追加されている状態ともいえる。 箱物ありきのステージを埋めるために費やされる創作エネルギーの消耗は、一般的理解を遙かに超えていると感じるのだ。
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