炉の仕立て [ハウス・ラボ]
ラボ・フェノミナファクトリーは解散致しちゃいました。長年にわたりたいへん貴重な実践データの収集にご協力頂いた皆様に心から感謝致します。
というわけで、長年自宅とは別に維持してきた工房は閉鎖しました。
ラボの解散にあわせてブログタイトルも変更しました。今後は現在居住中の住宅を生存をかけた現場と位置づけ、ラボで培った20年の研究成果をもとに天然化生活現場施工を開始したいと思います。とは言っても何からはじめりゃいいのカネ?って、そう、現金ないととりあえず生きらんないですねーー。モノツクリしかしたくない僕は、死ぬまでモノツクリでありたいと願っているため、まずモノツクリを続けられる天然工房を熱烈に要望するわけです。これまでの工房はなんといっても電気がなければはじまらない。それも100ボルト、200ボルトかなりの容量を必要としていました。しかしながらこれは、モノを創る必要性からの必然的要求と言うよりは、工房経営上の必要経費を捻出するための仕事量からくる要求でしかなかったわけで、非常に苦痛と苦悩を伴うのでした。工房の使用停止をしてから早4年目になりますが、未だに資機材の処分は終了していません。工房閉鎖による最大の改善点は、動力電源の廃止です。ご承知のとおり動力電源は三相200ボルトで送電されています。契約は容量で課金されるため、何も使わなくても料金を支払わなくてはなりません。そのために仕事を増やすという悪循環におちいります。三相電源専用の動力機械はほとんど処分しました。
ともあれ、鍛冶屋仕事ができないと話にならない人だもんで、仕事場をしつらえていますが、自宅はごく普通の建て売り住宅。敷地は約50坪、工房をしつらえるスペースは庭先約8坪ほどしかない。当座必要なモノはほぼ自宅敷地内に搬入済みなもんで、シッチャカメッチャカな状態です。あーーー、早く鉄が叩きたい!で、庭先にコークス炉の設置を進めてます。さて、この自宅工房から鎚の音がひびくのはいつの日になるのでしょうか。
この炉は23年ほど前に内側の小振りな部分だけを、廃物のプロパンガスボンベのアタマ部分を利用して自作して使い始め、15年ほど前に外側をコルテン鋼の2.3㎜の板で拡張改造して使い続けてます。
内部はこんなかんじ。ブロワーの非電化工作中。いずれ報告します。
工房電力自給へ向けてソーラー発電実験システム [ハウス・ラボ]
震災・原発事故以来、工房の天然化計画の一環で、使用電力の自給を検討してきたが、ソーラーパネルによる実験システムが稼働し始めた。
写真左手奥の屋上左手に見えるのがソーラーパネルだ。
とりあえず工房用の実験システムを組むために、ネットオークションで中古パネル三枚を入手した。
ソーラーパネルの性能は、近年の需要増大にあわせてかなり向上している。そのため10年落ちくらいのパネルの相場は一枚7,000円前後まで下がってきた。今回入手したパネルも、Ⅰ枚7,000円ほどだった。
このパネル三枚を、解体した民家からもらっておいたアルミ雨戸の戸袋用パネルを再利用して固定する。
パネル自体のアルミ枠と戸袋サッシのパネルをビス止めすれば、結構な強度が出る。台風でバラバラになる心配はないほどの強度がある。
組み上がったパネルを、2階のアルミベランダの床枠を利用して固定する。今回は実験用なので、設置方角と仰角度は厳密には設定していないが、ほぼ真南向きに、約30度の仰角で設置してある。
このパネルの発電能力は、一枚あたり約60ワット3アンペア。電圧は18ボルトほどである。これを3枚並列につないで約9アンペアほどの電力になる。
ところでこの電力だけで工房内の工具類や溶接機を稼働することはさすがに出来ない。そこでまずバッテリーに蓄電する必要がある。
バッテリーにもいろいろ種類があるのだが、電気溶接をしようとすれば、ディープサイクルバッテリーというものが必要となる。
このバッテリーは現場作業用のバッテリー溶接機に使っていたもので、容量120Ah(EB120)。これを3台並列に接続して、12ボルトのシステムとして利用する。
ソーラーパネルで発電された電気をバッテリーに充電するには、バッテリーとパネルの損耗を防ぐために 電圧・電流の制御が必要となる。電気も水と同じで、高いところから低いところへ流れる。これは電圧の高低差ではあるが、この性質がためソーラーパネルとバッテリー間で、逆流が起きることがある。その他にもいろいろと不都合な電気的条件があり、これらを一手に自動的に解決してくれるのが、チャージコントローラーなるものだ。
10センチ12センチほどの小さなものだが、その役割は非常に大きい。
まず、ソーラーパネルからバッテリーに流れる電圧電流の制御。このコントローラーの端子にバッテリーを接続しておくだけで、確実に充電できる。
次に、バッテリーからソーラーパネルへの逆流防止。パネル自体にもダイオードによる逆流防止はついているが、前段でシャットアウトしてくれる。
そして、出力電流の制御だ。これは家庭配線にたとえれば、ブレーカーのような機能だ。このコントローラーは15アンペアまでの電流を制御する設計になっている。
バッテリーにパネルから充電された電力は12ボルトの直流である。工房で使用する機械・工具類は 交流100ボルトがほとんどなので、直流から交流へ、12ボルトから100ボルトへの変換が必要となる。
そこで次に必要なのが、DC/ACインバーター なる機器だ。
これも大変たくさんの機種があるが、大きな違いは容量と変換された交流の波形である。工房内使用条件の必要最小限に当たりをつけ、なるべく小さいものにした。
一般家庭に流れている電気は正弦波という波形のものだが、今回入手したものは、調整矩形波と呼ばれる波形出力で、マイコン制御の機器や最新家電には向かないが、工房で使用するのはもっぱらモーターを回す機器なので、全く問題ない。何より正弦波出力の機器は高い。これはヤフオクで送料込み1,500円ほどで手に入った。
このインバーターは定格出力320W、最大出力400W,瞬間最大出力800Wという性能だが、ドリル、ディスクサンダー、コンプレッサー、ボール盤、グラインダー、ロータリーバンドソーなど、ほとんどの工具が使える。と、思ったのだが、無負荷で回転はするが、やはり負荷をかけての使用は無理だったので、もっと容量のあるインバーターを入手することにした。
バッテリーは結構値が張るが、このシステムだけで、とりあえず外部電源なしでも仕事が出来るということは、天然文明への過渡的実用性として評価できる。
次はいよいよ溶接機のソーラーシステム化の実験に移る。
工房電源非東電化のそれから [ハウス・ラボ]
と、三枚のソーラーパネルを屋根にあげ、それから工房内で様々な条件下で試したところ、容量不足と判断されたため次なるインバーターをヤフオクで入手しました。
上に乗っている小さいのがこれまでのインバーター(800w)です。
この小ささで、ディスクサンダーが存分に使えるのは現場で非常に便利です。自動車のオルタネーターを利用した発電システムで利用しようと思ってます。
そして下のデカイやつこそ今回導入された 1,800wのインバーター。
これでついに、エアーコンプレッサー以外の電動工具、機械類は使えるようになりました。しかしコンプレッサーだけ回らない。
照明はLEDのビームランプに交換。これは10.5Wの消費電力で防水防塵仕様、すこぶる明るく重宝していますが、光が固く目が落ち着かないのが改善されればと思う。
さて、これらのセットで半年ほど試験稼働してみたところ、あとパネル一枚追加でコンプレッサーが回るのではと思われるようになり、早速同程度のパネル一枚をヤフオクにて入手、試験中です。
現在赤道儀にてパネルを自動 制御する装置考案試作中。