工房電力自給へ向けてソーラー発電実験システム [ハウス・ラボ]
震災・原発事故以来、工房の天然化計画の一環で、使用電力の自給を検討してきたが、ソーラーパネルによる実験システムが稼働し始めた。
写真左手奥の屋上左手に見えるのがソーラーパネルだ。
とりあえず工房用の実験システムを組むために、ネットオークションで中古パネル三枚を入手した。
ソーラーパネルの性能は、近年の需要増大にあわせてかなり向上している。そのため10年落ちくらいのパネルの相場は一枚7,000円前後まで下がってきた。今回入手したパネルも、Ⅰ枚7,000円ほどだった。
このパネル三枚を、解体した民家からもらっておいたアルミ雨戸の戸袋用パネルを再利用して固定する。
パネル自体のアルミ枠と戸袋サッシのパネルをビス止めすれば、結構な強度が出る。台風でバラバラになる心配はないほどの強度がある。
組み上がったパネルを、2階のアルミベランダの床枠を利用して固定する。今回は実験用なので、設置方角と仰角度は厳密には設定していないが、ほぼ真南向きに、約30度の仰角で設置してある。
このパネルの発電能力は、一枚あたり約60ワット3アンペア。電圧は18ボルトほどである。これを3枚並列につないで約9アンペアほどの電力になる。
ところでこの電力だけで工房内の工具類や溶接機を稼働することはさすがに出来ない。そこでまずバッテリーに蓄電する必要がある。
バッテリーにもいろいろ種類があるのだが、電気溶接をしようとすれば、ディープサイクルバッテリーというものが必要となる。
このバッテリーは現場作業用のバッテリー溶接機に使っていたもので、容量120Ah(EB120)。これを3台並列に接続して、12ボルトのシステムとして利用する。
ソーラーパネルで発電された電気をバッテリーに充電するには、バッテリーとパネルの損耗を防ぐために 電圧・電流の制御が必要となる。電気も水と同じで、高いところから低いところへ流れる。これは電圧の高低差ではあるが、この性質がためソーラーパネルとバッテリー間で、逆流が起きることがある。その他にもいろいろと不都合な電気的条件があり、これらを一手に自動的に解決してくれるのが、チャージコントローラーなるものだ。
10センチ12センチほどの小さなものだが、その役割は非常に大きい。
まず、ソーラーパネルからバッテリーに流れる電圧電流の制御。このコントローラーの端子にバッテリーを接続しておくだけで、確実に充電できる。
次に、バッテリーからソーラーパネルへの逆流防止。パネル自体にもダイオードによる逆流防止はついているが、前段でシャットアウトしてくれる。
そして、出力電流の制御だ。これは家庭配線にたとえれば、ブレーカーのような機能だ。このコントローラーは15アンペアまでの電流を制御する設計になっている。
バッテリーにパネルから充電された電力は12ボルトの直流である。工房で使用する機械・工具類は 交流100ボルトがほとんどなので、直流から交流へ、12ボルトから100ボルトへの変換が必要となる。
そこで次に必要なのが、DC/ACインバーター なる機器だ。
これも大変たくさんの機種があるが、大きな違いは容量と変換された交流の波形である。工房内使用条件の必要最小限に当たりをつけ、なるべく小さいものにした。
一般家庭に流れている電気は正弦波という波形のものだが、今回入手したものは、調整矩形波と呼ばれる波形出力で、マイコン制御の機器や最新家電には向かないが、工房で使用するのはもっぱらモーターを回す機器なので、全く問題ない。何より正弦波出力の機器は高い。これはヤフオクで送料込み1,500円ほどで手に入った。
このインバーターは定格出力320W、最大出力400W,瞬間最大出力800Wという性能だが、ドリル、ディスクサンダー、コンプレッサー、ボール盤、グラインダー、ロータリーバンドソーなど、ほとんどの工具が使える。と、思ったのだが、無負荷で回転はするが、やはり負荷をかけての使用は無理だったので、もっと容量のあるインバーターを入手することにした。
バッテリーは結構値が張るが、このシステムだけで、とりあえず外部電源なしでも仕事が出来るということは、天然文明への過渡的実用性として評価できる。
次はいよいよ溶接機のソーラーシステム化の実験に移る。
ご使用のバッテリーEB120のその後はいかがでしょうか。私はG&Yuのディープサイクルを使い始めたのですが、ヘタレぎみで。ソーラー発電のネックはバッテリーという感じがしてならないこの頃です。
by 胡椒餅 (2013-12-21 15:53)
購入から13年はたつと思いますが、充放電数回で放置10年後再使用始めましたが、今のところヘタリは感じられません。相当タフなバッテリーだと感じます。
by TENSHIN (2013-12-23 02:20)