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緑茶のお歯黒 [今時の鍛冶屋の学校]

 

今日はお歯黒を作ります。
普段使いには500ミリリットルで充分です。小鍋に水を入れて火にかけ沸騰させます。水道水なので竹炭を入れてます。緑茶は大さじ3杯ほど入れて1時間ほど煮出します。

火を止め茶こしなどでこしとります。この中にハガネのものを入れます。写真のものはホームセンターなどで売ってる木材用の接合プレートです。これは何でもかまいませんが、色味がものによって違うので、好みで探すといいでしょう。このまま放置します。
     

 半日後と一日後です。丸1日で結構黒くなります。
 

2日後には味のある字が書けるほどになります。このぐらいで仕上げ用に容器に移して保存します。 

鉄製品の仕上げにはまず鉄の表面のうき錆や汚れを落とします。油っ気も落とさないとそこだけ反応せずに残るので注意してください。


下地が整ったらまず生のお茶をまんべんなく刷毛や筆で塗ります。乾いたらまた塗り、これを3回ほど繰り返し、野外などに放置します。この段階で肌の調子がよければそのまま仕上げ用のお歯黒を塗っては乾かします。肌が安定していない場合は霧吹きなどで水をくれていい肌ができるのを促進します。色味が安定したら麻布や木綿などでから拭きします。このとき仕上げ用のお歯黒を部分的に塗ってすぐ拭き取るなどして最終的な調子を整えます。

写真の手摺りは屋外の公園なので鑞引きで仕上げます。プロパンのバーナーで蜜鑞が充分溶ける温度まで加熱します。木綿の布に蜜鑞をしみこませたものでまんべんなく拭き上げます。このとき温度が高すぎると鑞が薄くなりすぎるので、屋外のものは注意します。
さめたら布やブラシで磨き上げて終了です。
   

ちなみにこの手摺りは工房の近く相模湖公園にあります。




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コメント 4

kaki

こんなに詳しく嬉しいです。学校ですね。
この前、話を聞いてからためしてみましたが、「ん・・・」「ん・・・」「んー」
また挑戦します。
お茶の色まで写真つきなのでアホな私でも理解でき嬉しい。
次回の学校を楽しみにしています
by kaki (2006-11-13 00:36) 

トリコ

写真付きでうれし〜!!!!^^!
質問しても良いでしょうか??
生のお茶とは普通に飲むお茶の事ですか??
写真の手摺の肌とてもステキですね。。
触りたーい!!やはり以前教えて頂いたフリクションプレスで鎚目??
をつけるのですか??これだけのサイズそれでも大変そうですが。。
。。あと屋外でも蜜蝋仕上げでいいのですね〜(厚塗りなんですよね〜)
目からウロコが落ちる感じです。。やはり何度か塗り込むのでしょうね〜。。
あまりの丁寧で大変な造りの行程。。なんだか頭が下がります。。
でも仕上げはわが子(作品)を送りだす。うれしい儀式なのかもしれませんね〜
by トリコ (2006-11-18 21:09) 

TENSHIN

トリコさん、生のお茶は煮出しただけのお茶です。かなり濃厚なので、苦くて飲むにはちょっとですけど、ハガネを入れてない物のことです。手摺りの鎚目はお察しの通りフリクションによるものです。うちのフリクションは60トンプレスなので、このくらいのサイズは加熱せずに楽に鎚目がつきます。
by TENSHIN (2006-11-19 15:45) 

トリコ

おお〜。。素敵なフリクションプレスですね〜!!
加熱せずになんて鎚目の感じもまた違うのでしょうね。
お茶の説明ありがとうございま〜す!
マジメに参考にします。。!
by トリコ (2006-11-19 22:21) 

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