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川下り 流れ流され 華むすぶ [ギ ャ ラ リ ー]

      工房のある相模湖は戦後間もなくできた人造湖で、毎年台風シーズンともなると相模川流域からの流木でダムはいっぱいになる。工房の暖房は薪でまかなっているのでよく流木をもらいに行くのだが、結構おもしろい木も流れてくる。この作品はそんな流木を利用してこしらえたもののひとつで、絵画教室のカバンかけである。。一口に流木といっても実に様々なモノが流れてくる。自然に倒れた丸ごとの立木から、建築の廃材などぴんからきりまであるが、何らかの理由で折れたり割れたりした自然木が長い時間をかけて風化しながら流されてきたものは特にアジがある。この板もそんな一枚で、広葉樹の堅木が自然に割れて風化した逸品である。こんな木に出会うと本当に興奮するもので、ほとんど手の入れようのないほどのハダに仕上がっている。あとはみがいて化粧をしてやるだけでホントに見違えるような味わいが出る。化粧も緑茶を煮出したものにハガネをつけておいて化合させたおはぐろを用いる。これがまたいいアジを出す。このおはぐろは鉄の仕上げにも使うが実に深いあじわいが得られる。


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コメント 3

トリコ

素敵ですね!!!
また使用する場所がいい!
流木は私も好きで見かければ必ず持って帰らずにはいられません!
昔は色んな地方で過ごしてはその土地の石なども拾い集め実家に帰る際
段ボールにつめて荷物と共に送っていたら、母が呆れていたものです。
自然のものには真似出来ない魅力がありますよね!
展心さんのこの作品は自然とのコラボですね!居心地よさそうです。
ところですみません質問なのですが。。私はまだまだ勉強不足で鉄の塗装といえば蜜蝋の焼き付け塗装か、カシューか、せいぜいペンキのみなのです。
おはぐろという塗料があるのですか??
鉄の塗装方法はこれからの大きな課題です。
さしつかえなければ、教えてはいただけないでしょうか!!
なんだか鉄を殺さないいい肌合いで思わず聞いてしまいました。
by トリコ (2006-06-30 22:49) 

TENSHIN

お歯黒って言うのは江戸時代まで女の人が歯にぬってたやつなんだけど、基本的には植物のタンニンという成分と鉄を化合させて作ります。タンニンはいろんな植物に普通に含まれてるんだけど、お茶にもあります。これを利用してまずお茶を煮出して、かなり煮詰めます。その煮詰めたお茶に、ハガネのモノをつけておくと、化合して真っ黒になっていきます。これをハダの出来上がった鉄の製品に塗ると、黒く染まります。その上から必要な仕上げ(鑞引き、油引き、など)でしあげます。
by TENSHIN (2006-07-01 02:03) 

トリコ

ありがとうございます!!
早速にコメントして下さってたんですね。なかなかパソコンゆっくりいじれなくて、、遅くなりました。
お茶を煮詰めるのですね〜ほ〜〜!!
薬品やペンキなどをでない昔ながらの作り方は。私好みです。
展心さんからの教えはいつも興味深くありがたい限りです!
近い内に実践してみます!!
本当に感謝です!
by トリコ (2006-07-03 16:01) 

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